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谷本 貴[陶芸・伊賀焼]

[人は日々]

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三重県の伊賀焼茶陶の有数の窯元の一つである三田窯の御曹司です。
といっても、窯元の由緒に寄りかかることなく、現代の造形作家としての創作の世界を求めています。
伊賀焼というブランドや、茶陶という伝統的造形を外側から眺める眼と、内側から自己確認をしていく眼とを併せ持っています。
これからの陶芸界を担うホープとして期待を寄せたい作家です。

 

 

 

 

「土塊」

h30×w35×d35cm

 

 

 

 

「土塊」

h33×w21.6×d16cm

 

 

 

 

「土塊」

h23×w45×d25cm

 

 

 

 

 

伊賀耳付花生

h27×w16×d14cm

 


略歴

1978年三重県伊賀市に生まれる

1997年同志社大学文学部文化学科美術及び芸術学専攻入学

2003年京都府立陶工高等技術専門学校卒業。森正に師事

2005年岡田文化財団の奨学金を得てイタリアに留学

2006年伊賀市にて作陶を始める

IAC会員

 


[論評]冊子「人は日々」No.04より)

  かくして谷本貴さんは、陶芸という一つの表現メディアを、やきものの外の世界から見ていく視点と、作陶プロセスの内部から見ていく視点とを身に体した陶芸家として自己形成していきました。土と向き合う彼のまなざしにはそういう特徴が感じられます。その特徴が、〝土の表情〟として表れてきているのです。
これは別な言い方をすれば、「伊賀でありつつ伊賀を超える土味」ということになるでしょうか。〝伊賀を超える〟ということの意味は〝やきものがアートになる〟ということにほかなりません。オブジェを作ればアートになるということではなく、その土台には〝土と向き合う〟という条件が不可欠です。このことを谷本さん自身は、〝作陶のIQを高めていく〟という言い方で表現しています。